三浦浩、横尾義智、藤本敏文ら三羽烏はろう社会を川本宇之介による干渉を守り抜いたのだろうか

 三羽烏の活動を整理し、まとめてみると以下の通りになりました。


〇三浦浩は地元で川本宇之介から聾唖者達に対する干渉を最前線で受けつつ、何とか凌ぐ日々を送った。干渉を長年受け続けてきた為、心身に異常を起こしてしまった。

〇横尾義智は村長に就任し、聾唖者達の象徴で在り続けた。戦後、GHQによってD級戦犯とされ、村長の座を降ろされてしまった。

〇藤本敏文は川本宇之介の件で身動きが取れない三浦浩に代わって、全国の聾唖協会及び聾唖者達と連絡及び連携を維持し続けてきた。この活動を続けていく内に何度も資金難に陥ってしまった。


 三浦浩、横尾義智、藤本敏文ら三羽烏の長年の働きによって、全日本聾唖連盟を設立する為の土台が守られ、川本宇之介が全日本聾唖連盟長になる事無く順調に進められていったと思います。三羽烏の働きが無かったら、全日本聾唖連盟の設立及び維持すら怪しかったかも知れません。

 三羽烏の活動はろう社会を守り抜いたが、三羽烏は心身とも疲弊し、生活に支障をきたしてしまう程であり、相当な苦労があったと思います。でも、今のろう社会があるのは三羽烏の精力的な活動があったからだと思います。


参考文献

  • 【日本聴力障害者新聞縮刷版1巻】
  • 【藤本敏文】
  • 【小黒むらおさ】
  • 【筑波大学付属聾学校同窓会史】
  • 【大家善一郎の回想】
  • 【吉川金三伝】
  • 【川本宇之介の生涯と人間性】
  • 【聾教育学精説】
  • 【全日本ろうあ連盟 50年のあゆみ】
  • 【関東ろう運動 60年のあゆみ】