川本宇之介の言語に対するこだわり
川本宇之介の著書を読んでみると、「一の言語」と言う単語がよく目にする。この単語は今で言う第一言語の事を指しているのではないかと思います。
川本宇之介はろう者にとって手話は一の言語には成り得ない。つまり手話が第一言語になるとは考えられないとの認識を抱いていたようです。
又、川本宇之介は小西信八の手話、筆談、口話を聾児の適正に合わせて指導するやり方を「多言語主義」としてこの様なやり方でうまくいく訳がないと批判しました。
川本宇之介が活躍していた頃は第二次世界大戦が起きる前であり、当時の列強は「一国一言語」の方針を取り入れる国が多く、日本もそうあるべきだと川本宇之介はそう考えていたかも知れません。それだけではなく、当時の文部省の方針がそうだったかも知れません。
つまり、川本宇之介は聾児達に日本国の第一言語である音声日本語を取得して欲しいとの願いが強かったのではないかと俺はそう思っています。その願いは西川吉之助、橋村徳一以上に強かったかも知れない。川本宇之介は聾児達を国全体の発展に尽力できる人材になれるように育てたいとの想いがあるような気がします。
出典
【聾教育学精説】
【ろう言語教育新講】
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