杉敏三郎を世話した千代と金子重之助についての考察

 杉敏三郎を世話したのは吉田松陰の妹であり、杉敏三郎の姉にあたる千代と吉田松陰の弟子である金子重之助の二人でした。 この二人は杉敏三郎を世話する為のノウハウをどうやって身につけていったのでしょうか。 また、谷三山は聴覚障害者であり、学者であり、教育者でもあったという点は無視できないと思います。  

 吉田松陰と出会った頃の谷三山は失聴してから、およそ35~40年の歳月を過ごしていたのです。 吉田松陰の実弟である杉敏三郎は聾唖者として生まれてから8年位であり、谷三山は音の無い世界で杉敏三郎の約4~5倍の歳月を過ごしていたという点は吉田松陰はどう思ったのでしょうか。

  吉田松陰は谷三山から生まれつきの聾唖者に対する教育のノウハウを教えてもらい、この教育のノウハウを妹千代と弟子金子重之助に教え、この二人に杉敏三郎を教育してもらうという流れになっていたのだろうか。 聾唖教育のノウハウは谷三山から吉田松陰へ、吉田松陰から千代、金子重之助へと受け継がれていったのでしょうか。 杉家における聾唖教育のルーツは谷三山が関わっている可能性が見えてきました。 


参考文献 

【歴史の中のろうあ者】

【日本聾唖秘史】

【吉田松陰の唖弟】

【エピソードでつづる吉田松陰】 

【伝記谷三山】

【谷三山と吉田松陰の出逢い】