ミラノ会議を開催させた中心人物

 中心人物はド・ペレ神父のライバルであった口話教育者ペレール(またはペレイラ)の孫であったエミールとイザックの二人の兄弟だった。

 この二人の兄弟は大金融家であり、フランスの鉄道建設を引き受けた大事業家でもあった。

 自費で、私立の聾学校を創設し、口話教育を指導していた。

 この二人の兄弟は祖父ペレールの無念を晴らす為に、動いていました。その結果、祖父の無念を晴らす事は出来たが、無数の聾者の恨みを買う事になったのではないかと思います。

 なぜなら、口話教育の正当性が手話教育者であったド・レペ神父によってかき消されていたからです。口話教育か、手話教育かの話だけではなく、聾児、聾者に対する扱いも大きく異なっていました。

 ペレールは貴族、金持ちから金を貰って、聾児に口話を指導しました。ド・レペ神父は財産的に余裕がある家庭からは金を貰ったが、大半の恵まれない家庭からは金を貰わず、無償で教育してきました。それは自由・平等・博愛の精神による啓蒙精神であり、フランス革命の前から実践していました。

 その為、ド・レペが亡くなった時、フランス革命の指導者達が参列していました。だから、フランス内での評価はペレールよりド・レペの評価の方が大きかったでした。

 エミールとイザックの兄弟はペレールの無念を晴らすのと、ペレールの名誉を守る為に、聾学校から手話を排除する事を考えていました。

 そして、ミラノ会議では、二人の兄弟の思惑通りの結果になりました。 エミールとイザックの兄弟はどんな思いで、ミラノ会議の結果を聞いたのだろうか?


参考文献
【歴史の中のろうあ者】

【聾の人びとの歴史】

【ド・レペの生涯】

【世界最初のろう学校創設者 ド・レペ】

【聾教育問題史】

【聾の経験】

【善意の仮面】